SBCT関係論文翻訳
1999年10月AUSAの昼食会にて時の米陸軍参謀長エリック=シンセキ大将は演説を行った。陸軍の変革・再編・革新の道程標となる出来事であった。
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海兵遠征旅団下の遠征復興隊構想
出典 marine corps gazette
URL http://www.mca-marines.org/Gazette/2005/05rohr.html
原題 Intervention and National Building in Expeditionary Maneuver Warfare
筆者 Karl C. Rohr少佐
日時 2005年7月web特約記事
内容 MEB(海兵遠征旅団)下に遠征復興隊を設ける構想の紹介。介入から退出までの流れを想定し
同隊の機能を説明。

以下全訳

本事例研究は今後の遠征機動戦構想にいかにprogressive reconstruction(漸進的復興)構想が組み込まれうるかを実証するため想定したものである。


前提

海兵隊は既にexpeditionary reconstrcution unit(ERU 遠征復興隊)を立ち上げている。同隊は、civil affairs(民政)、public affairs and mass media(広報とマスメディア)、military police(憲兵)、psychological operations(PsyOps 心理作戦)、Judge Advocate General(JAG 法務)、contracting(契約)といった特技を有する現役特技兵の一団である。衛生、工兵、戦務支援、航空支援、通信、歩兵部隊の連絡将校も配される(assigned)。国連人道組織、非政府組織、民間非営利団体、政府組織、統合組織(例えば、特殊作戦部隊など)、他軍および他国の民政、心理作戦部隊と、対内乱/対テロおよび復興作戦につき関係を構築し維持するのがERUの仕事である。また、ERUはregional development zone(RDZ 地域開発帯)、progressive reconstruction team(PRT 漸進復興チーム)、civil action platoon(CAP 民政活動小隊)のため、即用できる戦術、戦技、手順の枠組みを確立するものとする。ERUは対内乱/対テロおよび国家建設/安定作戦において海兵隊の作戦級および戦術級機能であり、世界各地の偶発事態に対して迅速展開と柔軟な規模拡大が可能である。


状況

国家Xの元首がクーデターにより権力の座から逐われた。が、どの集団および集団の連合も国家の統治を握ることが出来なかった。派閥間の戦闘は内戦という流血の無秩序事態へと進んだ。政府の基本的機能が行われず、人道危機が深刻化した。合州国と国連は国家Xの人民を災厄から救うには介入が必要であると決断した。


展開前および計画立案

海兵遠征旅団を主戦力とする統合任務部隊が立ち上げられた。MEB司令官が統合任務部隊司令官に任命され、失敗国家に秩序と民主主義を復興するのに必要であるあらゆる手段を用いる権限を与えられた。Expeditionary strike group(遠征打撃群)が国家XにMEBに先立って派遣され、介入部隊の入域のための下準備をした。

ERUはRDZ(地域開発帯)を設定しPRT(漸進復興チーム)をそれぞれに配した(assign)。SOF(特殊作戦部隊)とCAP(民政活動小隊)がMEB(海兵遠征旅団)と関係部隊の諸隊から立ち上げられる。ERUは諜報情報にもとづいてinterim military goverment(暫定軍政府)の枠組みを構築する。各RDZには60名~100名からなる特性に合わせたPRTが置かれ、民間および軍の全ての復興活動の管理を担任する。介入開始後はPRTが地元住民と介入部隊との仲介として働く。介入部隊の民間=軍統治の影響を一層及ぼすために特殊作戦部隊と民政活動小隊が重要な村落に投入される。


展開、入域可能素

親部隊であるMEBとともにERUは待機し、展開する。advanced staging area(前方待機地域)にてERUはmaritime prepositioning force(future) MPF(F) 海上事前集積部隊(将来型)の到着を待つ。ERUの心理作戦部隊と広報部隊はラジオ、インターネット、TVを通じて待機地域から介入部隊の意図を放送で伝え始める。これらの部隊は介入の進展につれて活動を改善していく。このため、TV局、ラジオ局、発電所を軍事活動の初期目標とする必要がある。統合任務部隊司令官(commander joint task force /CJTF)はこれらのメディアを通じて総武装解除と軍閥の退場(standdown)を呼びかける。CJTFは介入による益を強調する、益はPRT(漸進復興チーム)が投入されるにつれて次第に全員に明らかになる。住民に地域代表暫定政府を形成するよう勧める。形成にあたっては、介入が行われるにつれて、PRT、特殊作戦部隊、民政活動小隊が住民を介助する。

統合任務部隊司令官は、武装内乱勢力に対する攻撃と制圧、飛行場、港湾、TV局やラジオ局、発電所、浄水施設、銀行、政府施設、その他権力の象徴といった重要基盤の確保といった軍事介入を計画し遂行する。無法な空白状態が生じるのを防ぐためPRTは各地域が確保されるに従い投入される。ERUは初期の軍事介入と敵戦力の打倒による威信と衝撃効果を利して攻撃部隊の後背に展開することで、好機を生かし、そして国家を目に見えるかたちで連続的に実際に支配する。この方法によりMEB(海兵遠征旅団)は既に手に納めた土地を再度奪取する必要がなくなり、介入の眼目である、法と秩序の回復が行われることになる。


決定的行動

決定的行動段階では、統合任務部隊司令官は安定の持続のため軍事力及び情報収集力を供する。ERUは地域住民と顔を会わせての接触と対ゲリラ作戦のための情報を供することで支援する。

戦力維持は、MPF(F)(海上事前集積戦力(将来型))から直接もたらされる補給により行われる。船舶から沿岸という遠隔のRDZ(地域開発帯)に対する補給運動は空輸と編制内の地上車列(organized ground comvoys)で行うことで、補給基地の防護に必要とされる人員数は削減され、住民対応と対ゲリラ作戦に用いることができる人員数を増加する。

ERU部隊は地域政府の再編、生命維持援助、住民の防護に集中する。ERUは地元住民を自衛できるよう訓練し、戦域全体での通信を確立し、介入の益と国家の病弊に対処する意思を放送で伝える。初期には介入部隊が治安を全てまかなうことになる。が、介入が決定的行動段階に進むに従い、PRT(漸進復興チーム)は統合任務部隊司令官の指導下で地域警察の編成を開始する。この段階においては、憲兵、FBI(Federal Bureau of Investigation 連邦捜査局)、CIA(Central Intelligence Agency 中央情報局)、国際的な警察訓練部隊が新たな地域警察の選抜と訓練を援助することで、作戦は大きく助けられる。

政府組織、非政府組織、民間非営利団体の連絡担当、法務官、契約特技者をERUの枠組みに組み込み、民間=軍事活動センターを立ち上げることで、この分野における海兵隊の作戦級および戦術級能力の維持にも効がある。人道組織は最も必要とする人々への迅速な流通と配分をおおいに助ける。ERU内の契約特技者は施設建設および補修や援助の輸送を、現地で契約作成することで経済援助の成果が具現するのを助ける。PRT内の法務官代表は地域に、公正な法廷と民主的な法改革確立の枠組みを供する。これらの集団はまた地元実業界に公正な慣行、法の支配、援助の平等な配分を確実に行わせることも担当する。

統合任務部隊司令官は、軍政官(military governor)として、成功を平和と繁栄を国家にもたらすことへ繋げる。これには派閥を融和させる(bringing factions together)ことも含まれる。その間に、復興および警備活動に従事していない、MEB(海兵遠征旅団)の地上および航空部隊本隊を用いて作戦級機動部隊が再確立される。機動部隊はその後、即応状態で沖合いに置かれ、必要に応じて残る軍閥に対する圧力を維持するため、統合任務部隊司令官が用いる。

統合および連合の後続部隊の投入はどの時点、どの段階でも可能であるが、合衆国軍の国家からの次第の撤退が進められて行く、決定的行動段階においてとりわけ価値がある。徹底して費用対効果をあげるため、失敗国家--国際的、超国家的あるいは麻薬テロリストによる--や人道危機に対する介入は、完全に統合された多国家対応であらねばならない。さもなくば、合州国と少数の選ばれた連合が重荷全てを負い、米国の納税者および軍人の代価は介入が見合わないほどとなる可能性がある。


撤退/離脱 :退出戦略(Redeployment/Departure: The Exit Strategy)

新たな政府が樹立され安定作戦が進み、海兵遠征旅団は、統合多国家部隊--統合任務部隊司令官の指揮下にある--に知識および基盤を委ね、引継ぎを行うことが可能となる。一旦、国家が安定化し、住民が自身で治安を保ち、合州国および連合軍との間で戦闘の引継ぎが行えるようになると、統合任務部隊司令官は軍政官の任務をを国連が任命した行政官(U.N. appointed administrator)へ引き継げるようになる。国連行政官は新たに作られた地域政府と共に安定と民主主義に向かって活動を続けていく。


Rohr少佐はカリフォルニア州モンテレーの外国語センター 防衛言語研究所海兵隊分遣隊長。MCGの常連の寄稿者
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