SBCT関係論文翻訳
1999年10月AUSAの昼食会にて時の米陸軍参謀長エリック=シンセキ大将は演説を行った。陸軍の変革・再編・革新の道程標となる出来事であった。
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タルアファルのイラク軍の話
出典 washingtonpost.com
URL http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2005/09/21/AR2005092102175_pf.html
原題 Iraqi Forces Show Signs Of Progress In Offensive
筆者 Jonathan Finer 同紙外報部
日時 2005年9月22日
発信地 イラク タルアファル
内容

イラク兵は既に家屋の捜索を終えていた、それは正門に張られたシールで分かっていた。

以下全訳

が、師団長(commanding general)と米軍大佐が先週の午後彼らの仕事ぶりを褒めその実際をみるために訪れた際、兵らは行動展示(demonstration)をすることにした。芝居がかった激しさで、兵らはほとんど無人の街区の2階建て建物へ小銃をいつでも撃てるように構えて攻撃し、他の兵らと記者2名は通りからそれを見守った。

爆炎が内部からあがった、兵の中には男性が手りゅう弾を投げたのを見たというものもいた、別な者はドアに爆発物が仕掛けられていた。銃の連射音が続いた。兵らが叫びつつ内部から煙の中を転び出て来た。血に塗れていた。小隊は、前日の手榴弾攻撃で中尉(lieutenant)を失っており、残りの者は士気が萎えたように負傷者の周りに集まったり、頭を抱えて座り込んだりした。

その次におきた事は、当地の指揮官らがいうにはイラク軍へと治安を移行し米国からイラクから部隊を引き上げるという目標に向かっての大きな前進を意味している。衝突が激しくなっても、イラク兵はしり込みしないと米軍士官らは語る。

「よし、おまえたち。戻って意気をみせてやるぞ」と小隊長がわりの米軍特殊部隊兵士が励ました(said)。記者は同人の氏名を明らかにしない事を条件にパトロールへの同行を許されていた。「こんなことでは我々は止められやしない。やりかえすぞ!」

彼らは復讐の機を求めて進んだ。再度待ち伏せに会ったのは一街区先の家屋であった。兵らは備えていた。射撃戦闘の後、彼らは誇らしげに微笑みながら出てきた、中には殺害した内乱者の数を示して指2本を立ててみせるものもいた。

「2,3ヶ月前はこんな出来事のあとでは立て直すことはできなかったかもしれない」と中断した強襲を見守り、歩道に血を滴らせていたイラク兵の負傷した手に包帯するのを手伝った米国陸軍第3機甲騎兵連隊長のH.R.McMaster大佐は語る。「彼らは決意の固さを見せた。やがては彼らがこの都市を支配できるようになるだろう」

9月2日に始まったタルアファルでの攻勢は昨年11月のファルージャ攻撃以来最大の都市における軍事作戦である。これまでの共同(joint)攻勢と異なり、地上部隊の主力となったのはイラク陸軍であった。投入されたおよそ8500名のうち5000名がイラク兵であり最も激しい戦闘を行い、一番の犠牲を支払った。作戦中少なくともイラク兵9名が戦死している、これに比して米兵の戦死者は1名である。

「我々は恐れぬ。我々は我々の国を守るためにここにいる」とバグダッド出身28歳のTarek Hazem二等兵(Pvt.)は語る。彼の手と制服は建物が爆発したとき負傷した兵の治療を手伝ったため血で赤かった。「テロリストを殺す意気で一杯だ」

タルアファルではスンニ派が大多数を占め、またシリアとの国境から40マイルで内乱者の主な密入国ルート上の戦略的要地に位置することから、当地での作戦はイラク側へ治安任務を移行するにあたっては重要な試金石だと指揮官らは語る。「もしタルアファルで事態を掌握でき担当を委譲できるのなら、他のどこでもできる」とMcMaster大佐。「一夜にはできないだろうが、進展しつつある」

が、イラク治安部隊の能力が向上しつつあるという証にもなるものの、タルアファル出の作戦は内乱に対する戦闘での任務が拡大するにつれて直面する課題を浮き彫りとなった。

イラク警察および陸軍の隊員らはほとんどがクルド人やシーア派アラブ人であるため、国内のスンニ派地域の多くでは国軍ではなく迫害に凝り固まった宗派の処刑部隊(hit squads)と見られがちである。タルアファルでも民族間の緊張は明らかである。同市はスンニ派トルクメン人が大多数を占め人口は20万名をわずかに超えている。

市外にイラク赤新月社が設けた暫定キャンプに済むタルアファル住民約4千名、そのほとんどがスンニ派であるが、そのうちの一人であるIbrahim Khalil(20歳)は(訳補 イラク治安)部隊の大半は「バドル旅団(the Badr Organization)とペシュメルガ(the pesh merga)だ」と話す。彼が言っているのは国内でそれぞれ圧倒的なシーア派とクルド人の民兵のことである。

「彼らは変装のため軍服を着ている」と彼は続けて、「彼らの振る舞いは非常に悪い。作戦の開始以来、スンニ派だというだけで人々を拘置所(detention prison)へ連行している」

サダムフセイン政権のスンニ派主体の軍の長年の攻撃目標であった、そしてトルコ政府と戦っているクルド勢力を支援してきたペシュメルガ出身のイラク兵らは、タルアファルのスンニ派トルクメン人が主導する内乱勢力と戦うのに熱狂していることをおおっぴらに話していたと、彼らと行動を密にした米兵らは語る。それもあってか、作戦に入って数日後、シーア派が大部を占める警察コマンドー部隊を過度に攻撃的な戦術を理由として米側指揮官は待機(ground)させている。

「イラク陸軍こそ本当のテロリストだ。奴らが壁に書いた落書きだってその証拠だ。’ペシュメルガ万歳’とか’バドル万歳’とかね」と追い出された住民のためのキャンプに家族と移動してきたAdnan Hussein(39才)。「奴らは我々の家に入って全部ひっくり返した。子供が怖がっていたよ」

軍の指揮官らはイラク陸軍第3師団は様々な民族、宗派集団を代表する部隊であると強調する。が、第3師団長はペシュメルガの副司令官であったKhorsheed Salim少将である。米軍指揮官はスンニ派に警官や軍人になることを勧めたが、入隊した者は誰であれ殺すという内乱側の脅しに妨害されたと語る。先月、地元のスンニ派族長が警察に入隊する意思のある者の名簿を提出するように求められた。わずか3名が挙げられただけだった。

「我々が目指しているのは国軍、国家の治安部隊であり、シーア派やクルドの部隊ではない、そう思っていない者は実際を知らないのだ」と第3機甲騎兵連隊副長のChris Kennedy少佐。「丁度、陸軍の募集活動をしたばかりで400名の応募者が入隊の署名をした。基礎訓練をまもなく始める予定だ」

タルアファルへの攻撃では米軍がなおもイラク側に小部隊階梯で活動する顧問という形で指揮するばかりでなく多大な補給支援もしていることが明らかとなった。

イラク側の基地からの食料や水を運ぶトラックを米側車両が護衛し、イラク部隊が攻撃するだいぶ前に米側の航空攻撃により内乱側陣地が除去された。攻撃中には20名から30名からなる各イラク部隊は米軍の特殊部隊が指揮をしていた。そしてある地区での家屋強襲では、通訳を伴う米軍のみが住人に尋問し付近の他部隊との無線での調整をしていた。

「イラク部隊には下級の指揮が明らかに欠如している」と第3機甲騎兵連隊第1大隊長のGregory Reilly中佐。

4ヶ月以上も前にタルアファルに第3機甲騎兵連隊が到着したとき、同市は大半が内乱側の手中にあり、イラク陸軍第3師団は地域のほかのわずかな大基地に退いていた。が、今月の作戦の準備をするなかで、米側およびイラク側指揮官は戦闘パトロールを増やして市内での存在を再び確立した。

連隊長McMaster大佐曰く、部隊は互いに補っている。米側には多数の装甲車両と補給能力があるが、タルアファルの地区を掃討するだけの歩兵がない。イラク側には基盤も装備もないが、通りに展開できる数千名の兵を擁している。

それでも、共同任務にはうまくいかぬものもあった。6月に米軍士官と小隊軍曹に率いられたあるイラク軍小隊が当時は内乱側の牙城であったSarai地区で伏撃を受けた。イラク兵の多くは逃げてしまい、向かってくる戦士を撃退するのは残された米側2名だけとなった。この戦闘で米人中佐が戦死している。

米側もイラク側指揮官もイラク部隊が自立するにはまだまだ月数がかかると認めている。これは作戦中インタビューしたタルアファルの住人らも意見を同じくしている。1年まえの9月、米軍およびイラク軍はタルアファルを席巻したが、米軍がこの地域からほとんど撤退すると、内乱側が以前よりも強力となって戻ってきた。

「もし、米側が去れば、また混沌とするだろう。悪人が戻ってくる、以前と同じように」と市の名だたるシーア派族長であるAbdullah Wahab Muhammed Younisは語る。昨年、内乱勢力は彼の一族(family)14名を殺害し33名に負傷させた。

「イラク陸軍は前よりも強くなったが、備えはできていない。いまは未だできていない」
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コメント
この記事へのコメント
日付にご注意
20日に同紙の軍事デスクがバグダッド発で記事を書いています。一旦編集会議でもしたんだろうか。

9月22日付けの古めの記事なのに注意です。
2005/10/03 (月) 01:10:56 | URL | 太郎 #-[ 編集]
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