SBCT関係論文翻訳
1999年10月AUSAの昼食会にて時の米陸軍参謀長エリック=シンセキ大将は演説を行った。陸軍の変革・再編・革新の道程標となる出来事であった。
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トライデントに通常弾頭を
出典 washington post column
URL http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/05/21/AR2006052101180.html
原題 A Missile Strike Option We Need
日時 2006年5月22日
筆者  Harold Brown、Jimmy Carter政権下で1977-1981国防長官
James Schlesinger、Richard NixsonおよびGerald Ford政権下で1973-1975国防長官

掲載紙面 A17
発信地 不明
内容
将来のいつか米国の大統領が直面するジレンマを考えてみよう(そのころには我々の同期情報収集力(real-time intelligence)が高い正確さ、精密さと適時性(timeliness)をえているとする):

#以下全訳最後まで
核兵器数発を入手したことが判明済みのテロ組織が過去1時間以内に核兵器を車両に搭載し不明の目的地に向けて出発の準備をしていることが米国の画像システムにより明らかとなった。米国の同地点への攻撃がわずか1,2時間遅れるだけで、この集団は出発してしまい、触接は失われ、核兵器は合州国内や同盟国に密かに運びこまれて起爆されるかもしれない。

仮にテロリスト集団の近くに空軍や適切な海軍部隊が展開していれば、数時間内に航空攻撃が行われうるだろう、テロ集団が気付かぬうちにキャンプにいるうちに攻撃できる可能性はある。しかし、テロ集団が米軍機や巡航ミサイルにとっても遠い位置にいるとすれば、大統領が使える唯一の選択肢は弾道弾の使用を命じることのみである。地上基地型のミニットマン(Minuteman)か潜水艦発射型のトライデントD5(Trident D5)である。両者ともに地球上のほぼいかなる地点でも半時間内に攻撃可能である。一つ大きな問題がある。目下、これらの弾道弾は全て核弾頭しか装着していないということだ。

この状況で大統領は予防的核攻撃(preventive nuclear strike)を命じるだろうか。考えはでてくるが、ほとんどありえないだろう。情報が正確かという疑いはなおもあるし、そして正確だったとしてもこのような前例の無い行動の影響は受け入れがたい、無辜の生命におよぶ危険、環境に対するダメージそして世界中からの政治上の反響が予想される。よりありそうなのは、大統領は米国の情報機関と軍にテロ集団を追跡し特殊部隊や通常兵器を搭載した航空機で攻撃できる機会をさぐるよう命じるだろう。これはうまくいくかもしれないが、仮にそうならなかったら、その結果は破滅的となりえる。

このような想定の可能性がますます高まっているがゆえに、迅速、精密、非核攻撃が求められている。それで国防総省は展開中の戦略原潜全隻に搭載のトライデントD5のうち各隻あたり2発を核弾頭から新たな弾頭へ交換する承認を議会に求めている。新型弾頭は各個に別々の目標設定可能な非核再突入体4発を搭載した非常に正確なものである。これらは地上目標、たとえば露天のミサイル、ドック入りしている艦船、車両、そして地上の航空機などには非常に有効となろう。これらの目標を下命1時間以内に欧州、アフリカ、アジアのほとんどどこにあっても攻撃可能である。攻撃は迅速かつ精密であるばかりか、事前に察知されることなく目標に命中する。この弾頭は強化目標(hardened target)の多く、たとえばミサイルサイロや地下深くの指揮所といった目標にはおそらく有効ではないだろう。この兵器はロシアや中国の核戦力の抑止能力に対抗することを意図してはおらず、その能力も無い。

ミサイルの第一段ロケットなど(early missile stages)は海洋に落下するようプログラムが組まれており、再突入時に損害を与えるという問題の発生を回避している。後段ロケット(later stages of the missile's trajectory)は諸国の領空を通過するかもしれないが目標地域外には落下しない。ロシアの早期警戒体系のみが潜水艦の通常の作戦海域からの発射を探知できる可能性がある。そして、目標地点を誤認する危険性は地上基地型大陸間弾道弾よりも低くなろう。

それにも拘らず、我々にとっては驚きなのは、連邦議会でこの提案に対して反対があることである。戦略原潜の核弾頭を通常弾頭に置き換えるのは各隻あたりわずか二発であっても賢いことではないと論じる者がいる。彼らは核能力(nuclear capabilities)を通常兵器で全部置き換える動きの手始めとなることを恐れている。潜水艦搭載型核弾頭が米国の抑止力のおよそ三分の二をなしていることおよび抑止力の中で最も生残性が高いことを踏まえると、これらの能力については一切譲るべきではなく維持されるべきである。しかし、本提案は潜水艦搭載核弾頭の削減を求めるものではない。核弾頭の総数を保つために各隻に核装備ミサイルに弾頭を追加すればよかろう。

潜水艦に伝達される行動指令(action messages)に誤りがあったり、どうしたことか、戦略潜水艦に二重の任務を付与することは核ミサイルが意図せずして発射されないようになっている厳格な統制を緩めることとなると主張する者もいる。しかし海軍ではこのような問題の発生をふせぐ手続きや物理的手段を備え済みであり、この点では高い信頼がある。冷戦の数十年間、海軍は艦船や潜水艦に対空ミサイル、巡航ミサイル、魚雷、爆弾の通常型、核弾頭型をともに載せていたが、重大な事故は無かった。

長距離弾道弾を1発たりとも発射すれば、核弾頭を搭載していようといまいと、ロシアから敵対的対応がとられ、ロシアの指導者が攻撃を受けたと危惧すれば反撃で核ミサイルを撃ち(counter-launch)かねないと懸念する。これまでの経験によれば、一発の発射では(とりわけ潜水艦作戦地域からの)は、探知され通告されていなくても、外交問題となるかもしれないが、軍事的反応の引き金となったことはない。いずれにせよ、ロシアの指導者には通知できるしミサイルが目標へ接近する間には攻撃の理由も公開できよう。

合州国内でのテロ集団による核兵器の爆発は未曾有の大惨事となろう。議会がこの計画に予算をつけるのが絶対に必要である。さらには現行会計年度において小規模な組み替えをすればミサイルの初度配備を加速できよう。テロリストが核兵器を入手しうる世界においては、将来の合州国大統領が核攻撃を抑止する選択肢をふやすことは義務である。
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