SBCT関係論文翻訳
1999年10月AUSAの昼食会にて時の米陸軍参謀長エリック=シンセキ大将は演説を行った。陸軍の変革・再編・革新の道程標となる出来事であった。
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Peter C. Bayer

出典 USAWC STRATEGY RESEARCH PROJECT
原題 OPTIMIZING THE UNIT OF ACTION BASED MECHANIZED INFANTRY DIVISION
FOR HIGH INTENSITY CONFLICT
筆者 Peter C. Bayer, Jr.中佐 合州国陸軍
日時 2004年5月3日


概要
陸軍参謀総長は陸軍が、遠征に備えた統合志向戦力を目指し、有用かつ即応を保ち続けるよう一連の計画を開始した。彼が主導する主な計画のうちに、より敏捷で、攻撃力があり統合能力のある戦力を規格化旅団規模である”Unit of Action(UA)”という構想で直ちに作り上げるというものがある。CSA(the Chief of Staff)は第3歩兵師団(機械化)に対して、展開し紛争の全様相にわたって戦闘する能力を維持しつつも
2004会計年度中に現行の3個機動旅団戦闘団編制から5個の旅団規模UAに師団内で再編する任務を課した。構想では、再編されるHAは、指揮/統制/通信/コンピューター/情報/偵察/捜索(C4ISR)の増強と統合火力の使用能力を与えられ、第3歩兵師団(機械化)がイラクの自由作戦において大変成功した現行の旅団戦闘団編制と少なくとも同等の攻撃力となる。しかし、再編では新兵器が装備されるのでなく、近いうちに新たなC4ISRシステムが供されるのはかなり困難であるため、師団の戦闘力全体は変わらないままであろう。安定及び支援作戦での運用においては師団が新編制をたちどころに適応させるという見通しは十分であるが、新たに再編される機械化歩兵師団が高烈度紛争環境において成功裡に戦闘できるかは容易に明らかでない。本論文では、戦闘力の機動、火力、情報要素において分析し、UA基盤機械化歩兵師団が今後5-10年間に可能性のある高烈度戦場において成功裡に戦闘しうるかを評価する。

目次
概要
図一覧
UA基盤機械化歩兵師団の高烈度紛争への最適化
第3歩兵師団(機械化)の再編
高烈度戦場における脅威
Ua基盤機械化歩兵師団の再編の分析ならびに評価
・機動
・火力
・情報
・諜報
・指揮統制
結論:高烈度紛争におうじる師団ならびにUAの最適化のため修正が必要である
終章:第3歩兵師団(機械化)再編について、陸軍は修正を指示
脚注
参考文献

図表一覧

図1 陸軍参謀総長の承認した師団編制
図2 現行の師団編制
図3 旅団戦闘団とUAの比較
図4 主要戦闘における砲兵と近接航空支援の比較
図5 機甲旅団UA


UA基盤機械化歩兵師団の高烈度紛争への最適化

戦闘司令官に敏捷、多用途、戦略即応し、統合や官庁間、そして同盟連合のチームに完全に統合され他の成員と調和した戦力を供することで、我々は地上支配を保ち続ける。(中略) 我々陸軍は統合ネットワークに位置付けられ、統合および遠征志向により可能となる規格化基盤かつ能力基盤の部隊編制へと進まねばならない。 陸軍参謀総長 Peter Schoomaker大将 2003年10月7日

陸軍参謀長は、陸軍が統合志向かつ遠征を念頭に置いた戦力を目指し、有用にして即応であり続けるために一連の計画を開始した。彼の主導する主な計画の中には、ますます増加している戦場可能素と統合連接性の向上(注1)により力を得た、より小型で独立して展開でき規格化旅団規模の”Unit of Action”(注2)構想により編制された戦略的により敏捷で、攻撃力があり、統合能力のある戦力を直ちに作るというものがある。より独立して展開可能な機動旅団規模の隊を作ることにより作戦要求に応じつつ、旅団規模の部隊が必要とされる度に師団を展開する必要が無くなると考えられている(注3)。より規格化された統合相互依存戦力という構想は近年刊行された統合作戦構想に位置付けられており、その構想では将来統合戦力は完全に統合され、遠征性、ネットワーク化、非集中化、適応性、意思決定の優越性の確保、攻撃力といった特徴を持つとされる(注4)。

 陸軍参謀総長は第3歩兵師団(機械化)(3rd ID(M))に2004会計年度中に現行の3個機動旅団戦闘団編制から5個もの旅団規模UA(Unit of Action)へ、紛争の全様相において展開し戦闘する能力を維持しつつ師団内で再編せよという任務を課した。構想では再編されるUAは、より向上した指揮/統制/通信/コンピューター/情報/偵察/捜索装備と統合火力の使用能力が与えられれば、現行のBCT(Brigade combat team)旅団戦闘団と少なくとも同等の攻撃力を持つことになる。BCTの戦闘力はイラクの自由作戦において第3歩兵師団(機械化)の極めて成功した戦闘に示されている。UA編制の大前提は、この新たな部隊にはこれまでの合州国の紛争、作戦において与えられてきたよりも同等かより大なる度合いで統合火力の使用能力が与えられることである(注5)。

 現行の計画では、再編される師団は新たな戦闘兵器を装備するとはされていない。またこれから数年のうちに新たなC4ISR(Command,Control, Communications, Computers, Intelligence, Reconnaissance and Surveillance)能力を供するにはかなりの困難が見込まれるから、師団およびUAの戦闘能力の総和は再編当初は変わらず、再編後の1年から5年でもわずかな向上があるのみだろう。師団が新たな編制を安定及び支援作戦においては顕著な問題なく適応できる強い根拠があるものの、再編される機械化歩兵師団或いはその独立展開するUAが高烈度紛争環境においてどの程度戦闘できるかは容易に明らかではない。本論文では戦闘力の機動、火力、情報要素(注6)を分析し、UA基盤機械化歩兵師団が今後5年から10年の高烈度戦場における戦闘において成功しうるかを評価し、高烈度環境において戦闘し勝利する能力を最大とするべく、短期的に陸軍にとって現実的に入手しうる資源及び資産に基づいて提言する。


図1 陸軍参謀総長の承認した師団編制

COA 5z Modified
(#訳注 細部読み取れず省略)



第3歩兵師団(機械化)の再編

2003年9月、陸軍参謀総長はWilliam 第3歩兵師団(機械化)師団長G. Webster少将に2004年1月より師団の再設計と再編を遂行するように指示を与えた。参謀総長の師団再編の指示は主として、スパイラル開発によりBCT(旅団戦闘団)に似た機動部隊を、統合能力を内在し、高烈度紛争に最適化し、戦域において或いは非線形先頭空間においてどの師団本部下でもまた独立でも機能し、戦域補給が整うまで補給上自己完結した基本機動単位として作るということだった(注8)。陸軍参謀総長の指示と高烈度紛争に最適化した部隊再編の強調(注9)により、師団は複数の行動計画案(COA courses of action)を作成した。そして、図1に示す再編可能行動が2003年11月に参謀総長の承認を得た。図2は現行の第3歩兵師団(機械化)、イラクの自由作戦を戦った旅団基盤で師団編制を示す。図3では陸軍参謀総長の承認した行動計画に基づいて主要兵器と兵員について、旅団戦闘団と図2におけるUAとを比較したものである。


図2 現行師団編制(注10)(訳注 図の内容を文字で説明)

師団
・本部及び本部中隊
・機械化歩兵旅団×2 機甲旅団
・航空旅団
・・航空大隊
・・航空大隊
・・機甲偵察大隊
・・・機甲偵察中隊×2
・・・航空偵察中隊×2
・砲兵旅団
・・機甲砲兵大隊×3
・・機甲ロケット砲兵大隊
・師団支援集団
・・本部及び本部中隊
・・支援大隊×3
・・支援大隊
・・・(訳注 兵科記号は対空で不明 規模は中隊)
・・航空支援大隊
・工兵旅団
・・本部及び本部分遣隊(中隊規模)
・・機甲工兵大隊×3
・憲兵中隊
・対空大隊(ラインバッカーおよびアヴェンジャー装備)
・通信大隊
・軍事情報大隊

欄外枠にて
FSGA(ジョージア州フォートスチュアート/HAAF(ハンター陸軍飛行場
#第3歩兵師団の原屯地とその近傍の陸軍飛行場)における師団上階梯資産
支援連隊
工兵大隊
憲兵中隊×2
軍事情報大隊(UAV装備)

(訳注 図2説明終わり)

図3 BCT(旅団戦闘団)とUAの比較(注11)

現行の旅団戦闘団
本部及び本部中隊(81名)
機械化歩兵大隊(各701名)×2
機甲大隊(499名)
機甲砲兵大隊(613名)
支援大隊(430名)
工兵大隊(418名)
偵察中隊(49名)

 配属
対空中隊(94名)
憲兵小隊(21名)
通信小隊(70名)
軍事情報大隊(79名)

UA 1-4 行動計画5
本部及び本部中隊(81名)
機甲大隊(499名)
機械化歩兵大隊(701名)
機甲砲兵大隊(418名)
支援大隊(400名)
工兵大隊(282名)
偵察中隊(49名)
 配属
憲兵小隊(21名)
通信小隊(81名)
軍事情報大隊(79名)
兵科記号が化学の小隊×1 同じく班×1

総員数 BCT 3756名 UA 2611名
戦闘兵器
M1戦車 BCT 44両 UA 44両
M2歩兵戦闘車 BCT 88両 UA 44両
M6ラインバッカー BCT 8両 UA 0両
M7BFIST BCT 9両 UA 8両
M109自走榴弾砲 BCT 18両 UA 12両

(訳注 ラインバッカーはブラッドレーの車体に対空ミサイルと機関砲装備の砲塔を載せたもの)
(訳注 M7BFISTは砲兵観測員用のブラッドレー)

(訳注 図3説明終わり)


当初陸軍参謀総長が師団編制への主な変更として承認したUAの構成はおよそ以下の通り。

・新たに1個機動UAをUA 4として、現在ある工兵旅団本部を中心に創設する。
・伝統的に直接支援してきた砲兵、工兵、前方支援大隊を軍事情報、憲兵、通信中隊と化学小隊と同様にUAに常時配属(permanent assignment)とする。師団は2個小隊編制の憲兵中隊を創設するため資源の追加を要請する。
・現行の機械化歩兵大隊や機甲大隊の代わりに常時任務編成された機動支隊(Task Force)を創設する
・4個UAのそれぞれの機動TFを3個から2個へ削減する。これにより3個機動中隊が純減し、現行の機械化歩兵重旅団戦闘団と比べてUA当りの総員数では1145名、職業特技11系列の歩兵が431名減少する(注12)。
・Ua砲兵大隊は18門から12門編制へと再編され、パラディン155mm自走榴弾砲6両装備の2個射撃中隊、連合役務および本部中隊、直接支援の軍事情報中隊と旅団偵察中隊から成る。UA 4のため4個目の直接支援砲兵大隊本部と本部及び役務中隊、直接支援の軍事情報中隊と旅団偵察中隊が編成されねばならない。
・各UAに、直接支援の通信中隊、化学小隊、憲兵中隊(-)を配属する。資源が与えられた場合は直接支援の工兵大隊を配属する。新たに4個目の工兵大隊本部をUA 4のため創設せねばならない。
・小型の師団砲兵旅団をMLRS(多連装ロケット)大隊を中心につくり、UA 5に師団短距離対空大隊(1個アヴェンジャー中隊欠)を配属する。
・航空基盤のUA 5を創設する。1個機械化歩兵大隊、1個航空支援大隊、2個攻撃航空大隊(各AH-64アパッチ24機)、1個空中強襲輸送大隊(UH-60 30機)、1個全般支援航空大隊(1個チヌーク中隊(CH-47チヌーク12機、1個指揮統制中隊(UH-60 8機)、1個航空救急中隊(UH-60 12機))を同UAは含む。UA 5には1個対空中隊(アヴェンジャー装備)、通信、軍事情報、憲兵中隊そして航空輸送役務中隊とUAV中隊が配属される。UA 5に追加して配属される航空資産は最近承認された陸軍航空再編計画を反映している(注13)。
・主として主支援大隊と戦闘重工兵大隊からなる小型の師団支援集団。


高烈度戦場における脅威

合州国には目下軍事力と戦力投射能力において世界規模での真の意味の対等競争者はいない。が、地域的にまたは国際安全保障において実際に脅威となる国家は幾つかあり、なかんずく朝鮮民主主義人民共和国(DPRK Democtatic People's Republic of Korea)がそうである。北朝鮮(North Korea)は不安定で、予測不可能で、武装しており危険な(注14)であり、体制内部崩壊が発生する可能性がある程度あり、さらに悪いことには大量破壊兵器の保有について合州国に危険な挑発をする可能性があり、いずれの場合でも合州国とその南朝鮮の同盟国を朝鮮半島における高烈度紛争に投げ込みかねない(注15)。金正日体制の戦略上の主要目標は南朝鮮との統一であり続けており、DPRKの軍事戦略は攻勢的な性格であり、奇襲、圧倒的な火力、速度を組み合わせて勝利への方程式を体制に与えるべく設計されている(注16)。

 北朝鮮陸軍は推定で現役およそ90万名、予備役400万名(注17)。DPRKの軍の主要能力には10万名の特殊軍部隊、主力戦闘戦車2950両、近代化された頑健な対空防御体系、戦闘用機500機(注18)、砲および多連装ロケット1万3千門以上、砲およびロケットには射程70kmを超えるものが1100門(注19)。推定では軍のうち平壌=元山線より以南に65%が位置し、明らかに即座の攻勢作戦に備えている(注20)。前方展開した部隊と北朝鮮の軍事的攻勢能力支援目的の多数の地下壕、トンネル、地下施設については無数の情報源からの報告がある。さらに、DPRKは大量破壊兵器能力のみならず、化学剤および生物剤の運搬能力のある長距離ミサイルと砲を有している(注21)。
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