SBCT関係論文翻訳
1999年10月AUSAの昼食会にて時の米陸軍参謀長エリック=シンセキ大将は演説を行った。陸軍の変革・再編・革新の道程標となる出来事であった。
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米陸軍の戦備現況
出典 New York Times
URL http://www.nytimes.com/2007/03/20/us/20army.html
原題 Army Brigade Finds Itself Strethced Thin
日時 2007年3月20日
筆者 David S. Cloud
他掲載媒体 不明
発信地 ルイジアナ州フォートポーク 3月14日
内容 以下に全訳

 長年にわたって、陸軍は第82空挺師団の旅団のうち1つを24時間即時出動できるようにしており、危機はどこであっても18時間から72時間で対応できる態勢としていた。

 今日、いわゆる即応旅団(ready brigade)はもはや即応できない。兵の訓練は完全でなく、装備の大半は別の場所にあり、ここ2週間ほどは部隊は緊急時には必要となる輸送機から遠く離れた場所にいる。

 即応で待機している代わりに、第82空挺師団第1旅団はこの広大な陸軍の訓練場の沼のような森林地帯でイラクへの派遣準備をしている。陸軍当局者は同旅団は戦地へ18時間以内に先遣部隊数百名を送ることもできないと認める。かつては不犯の規則とされていたのだが。

 旅団の即応態勢の低下はイラクでの4年とアフガニスタンでの5年を越す年月が米軍に課している重荷の一例にすぎない。ブッシュ大統領が今年1月にイラク及びアフガニスタンに増派を命じて以来、陸軍の現役戦闘旅団全43個のうちおよそ半数が海外に展開中であると陸軍当局者は語る。1個旅団は兵員およそ3500名からなる。

 国防総省関係者が米国内や欧州やアジアの陸軍基地の20個余りの陸軍旅団のうち、韓国に常時駐留している機甲旅団(armored unit)を除けば一つとして戦闘に直ちに送り込めるほど人員と装備が整っているものは無いと懸念していると、陸軍の上級士官ら数名は話している。

 海外に派遣される部隊の訓練と装備を司る戦力軍(the Forces Command)のCharles Hardy大佐(Col.)は「現在のところ我々は全部を投じている」と話す。「仮に完全に訓練された旅団があるとすれば、なんということか、その旅団は派遣される順番が回ってきているからだ」

 第82師団はこのほど年例の記念日行進(Memorial Day parade)をとりやめた。理由は師団の兵1万7千名の大部分が海外にいるからである。昨年12月に輪番制により即応旅団の任についた第1旅団が今夏にイラクへ発てば、ケンタッキー州Fort Campbellの第101空挺師団(the 101st Airborne Division)が即応旅団の責を担うこととなる。しかし、同師団もまた今年イラクへ派遣されるゆえ準備に入っている。

 [陸軍副参謀総長Richard Cody大将(Gen.)は3月15日に議会で証言し、イラクとアフガニスタンでの要求ゆえ、潜在的にありえるその他の任務の多くに備えるだけの時間も資源も陸軍は有していないと話している]

軍当局者は米国は現役と予備役あわせると人員は200万名を超しており、戦火の試練をくぐり抜けた戦力を有し、戦争(major conflict)がもう一つ起きても勝利できると語る。しかし、対応にはより時間がかかり、損害は大きくなり、海軍および空軍により頼らざるをえないだろうとも話している。

 イランや北朝鮮との緊張にも関わらず、陸軍部隊(troops)を必要とする危機は迫ってはいないようだ。

 地上戦力が緊急に必要となれば、陸軍司令官らは即応旅団が迅速対応部隊の役目を果たすのだけに頼らず、イラクから直ちに部隊を引き抜いて必要なところへと送ると語る。

 国防総省は予備役の28個戦闘旅団を用いることもできる。これらの予備役旅団のうち数個を軍は今年後半か来年早々に動員して、(訳補 現役の)負荷を和らげる計画である。しかし、予備役旅団は装備と訓練の不足から現役旅団よりもさらに大きな問題に直面している。

 陸軍当局者によると、全てをあわせて1個州兵旅団を含む23個旅団が現在海外に展開している。ホワイトハウスが求める増派が現地入りしたらば、陸軍の戦闘旅団はイラクに17個、アフガニスタンに2個、そしてこのほかシナイ半島の平和維持活動での1個を含む4個が各地に展開している。

 実質的に陸軍はカンバン方式の組織となっている。訓練を終えた戦闘旅団はほぼ即座にイラクやアフガニスタンへと送り戻されている。装甲車両、路肩爆弾対策のジャマー、夜間暗視装置といった兵を守るのに欠かせない装備は作られたかたはしからイラクへと直ちに送られていると関係者は語る。

 2007年の国防省予算には陸軍装備の再生のために171億ドルが盛り込まれている。さらに別に戦闘で損傷した装備の更新、修理のため緊急予算(emergency funds)で139億ドルが組まれている。それでもなお、本土で派遣の準備をしている部隊は装備不足に直面しており、イラクやアフガニスタンへの次の派遣以外への備えはほとんど諦めている。

 [Cody大将は「派遣されていない部隊には不足が生じている」と例によって率直に議会で証言している。車両、無線、夜間暗視装置は十分な数がなく、武器にも「ところどころ不足」があると同大将は発言し、これらの部隊は国家の戦略予備の一部であると指摘している]

今年後半には、陸軍はおそらく本土での休養と訓練の期間が1年未満でイラクへと旅団を初めて送り返すこととなると国防総省上層部は語っている。別の手立てとしては、同筋によるとイラク派遣期間をこれまでの1年間から18ヶ月間に延長するという方法もある。

 陸軍当局は適切な訓練と装備を抜きにして海外には一兵たりとも送らぬと話している。また当局は新兵募集と再任の数字が堅調であり続けているのは士気が高い証拠であると指摘する。

 司令官らは長年、対内乱作戦に部隊が備えるには本土で最低1年が必要だと主張してきたが、今では装備の解体修理の時間を縮め、訓練を短縮すれば10ヶ月かそれ以下で準備できると言うようになった。

 士官の中には、やがては訓練日程を短縮した影響が現地での部隊の運用に現れるのは避けられないと話す者もいる。

 国防総省上層筋はしわよせが一層きつくなってきていると憂えている。統合参謀本部議長のPeter Pace大将は先月、議会に秘密報告書を送った。その報告書では今年中に軍がイラクやアフガニスタンでの任務を遂行しているかたわらであらたに危機が生じた場合、任務に失敗する危険性が中程度(moderate)から著しい(significant)に高まっている。

 [Cody大将は「我々は世界で最高の内乱平定用の陸軍(counterinsurgency army)を有しているが、この陸軍はあらゆる様相の作戦に対する訓練は受けていない」と議会証言で述べている]


 海兵隊もイラクに深く関わっており、同じく疲弊している。

 Fort Polkはイラク派遣前に戦闘部隊が過ごす場所のひとつである。冷戦中は同基地は欧州でソヴィエトと戦う訓練の場であった。ノースカロライナ州Fort Braggに所在する第82空挺師団は空挺能力を維持するため、ルイジアナ州へは空挺降下で乗り込んだものだったが、この伝統は捨て去られた。

 今ではイラクの砂漠のような地形とはほとんど似ていないが、同地で部隊が遭遇するであろう混沌とした宗派紛争と無作為の暴力に対処できるよう歩兵部隊を訓練することのみに重点が置かれている。

 第82空挺師団第1旅団では現在、兵10名中4名はイラクでの勤務経験があり、再度の派遣への準備がやりやすいと旅団長のCharles Flynn大佐(Col.)は語る。先週、旅団はFort Polkの森林訓練地域に散らばって、これまでの派遣で多くの兵が実際に経験したイラクの村々や路肩爆弾攻撃を模擬している演習をおこなった。

 しかし、ほぼ全員が新たな配置である。現在は大隊長であるMichael Iacobucci中佐(Lt. Col.)は2003年にイラクに第82空挺師団がいたときは大隊副長であった。帰還後、Albany出身の同中佐は家族とともに3年間の軍事交流活動(military exchange program)の一環でオーストラリアへと移った。

第82空挺師団に戻ったのは昨年8月だった、イラクに戻りたいとの熱意をこめつつ、Iacobucci中佐はイラクの模倣”村落”をハマーを運転して通り抜けながら話した。部隊が実際に戦地に赴く準備をする場となる以前はFort Polkでの成績は2週間の演習が終わってから初めて評価されていたと教官のArthur Kandarian中佐は語る。今では部隊の準備を迅速ならしめるために、その場その場で直ちに指導することもしばしばである。

 「かつては試験としての意味合いが強かった、それも教科書を閉じての試験だった」とKandarian中佐は説明する。「今では教授するという状況だ、なぜなら戦争をしているから」

 訓練はほぼあらゆる段階で短縮されていると陸軍筋は語る。2003年以前は専門課程と射撃場で数ヶ月をかけていたことが、移動教官チーム(mobile training team)による短縮授業で行われ、武器の技量はシミュレーターで磨いていると陸軍筋。

 「私が見るところもっとも大きな問題は、装備に馴染めないことだ」とFort Polkの教官であるChristian Durham大尉(Capt.)は言う。大尉はイラクへ向かう前に同基地に来るあらゆる部隊を見てきている。

 一方、陸軍は現行の戦力要求についていくのにも苦労している。1月にブッシュ大統領が命じた5個旅団の増派によりイラクでの兵力は戦闘部隊と支援部隊をあわせると6月には16万名へと膨らむ。この増大する兵力規模を維持するため陸軍は部隊を前倒しで供さねばならなくなっている。

 カンザス州Fort Rileyの1個とテキサス州Ft. Hoodの1個、あわせて2個の陸軍旅団は2008年まで戦闘に復帰する予定ではなかったが、準備を早めて今年10月までに備えよとの命令を昨年12月に受けたと第1歩兵師団広報官のChristian Kubik中佐。

 また、国防総省がイラクでの16ヶ月の任務を終えて昨年12月に帰還した第172ストライカー旅団に今年10月から12月にありえる派遣に備えよと通知してきたと同旅団広報官Michael Blankartz少佐(Maj.)は語る。

 通常、旅団は装備を解体修理するのに半年を与えられるが、第172ストライカー旅団(アラスカ州、現在は第25歩兵師団へと名称変更)には4ヶ月しかないと同少佐。部隊を準備する日程はさらに切り詰められている。

 陸軍では派遣を終えると旅団の3300名のうちおよそ3分の2は他部隊へと転出するのが通例であるとBlankartz少佐。少佐によると転出した者の後任は予定では7月か8月になるまで到着ぜす、陸軍が旅団の準備が終えるのを望む時期まで1,2か月しかない。
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